画像処理
ビュフォンの針を画像解析を使って計算してみよう!
はじめまして、2年目社員のAです。 蒸し暑い日が続いていますね。学生の皆さんは夏休みが待ち遠しい時期だと思います。 突然ですが、針の長さや本数から円周率を求められることを知っていますか? 今回は弊社の画像解析ソフトウェア「WinROOF」シリーズを使用して、円周率を求めてみました!
円周率とは
円周率とは、円の周りの長さと円の直径の比、つまり円周÷直径のことです。
円が大きくなっても、小さくなっても円周率は同じ値になります。
円周率は割り切れない数字で、小数がずっと続くので、よく3.14として計算に使われたり、π(パイ)と表されたりします。
ビュフォンの針とは
ビュフォンの針は、等間隔の平行線が引かれた平面に針を投げたときの、針が線と交わる確率を求める数学の問題です。この確率から円周率を求めることができます。

■計算してみよう
例えば、こちらの画像の場合、散らばった12本の綿棒(針)のうち、フローリングの線(等間隔の平行線)と交わる綿棒は9本あります。
ということは、フローリングの線に綿棒がぶつかる確率は12本中の9本、すなわち、9÷12=0.75となりますね。
綿棒の本数をN、そのうちフローリングの線と交わった本数をnとすると、確率はn/Nと表すことができます。
実はこのとき、綿棒の長さをL、フローリングの線の間隔をDとすると、針と線が交わる確率は2L/πDとなります!
これは、フローリングの線の間隔(D)が綿棒の長さ(L)以上に広い場合に成り立ちます(L≦D)。
(なぜそうなるの?と詳しく知りたい方は「ビュフォンの針」で調べてみてください。)
すなわち、以下の式が成り立ちます。
2L/πD=n/N
綿棒の長さL:7.1cm、フローリングの線の間隔D:7.35cmであるため、
先ほどの式に代入してみると、
2×7.1÷7.35π=9÷12
π=(2×7.1×12)/(7.35×9)=2.576...
より円周率は2.58となります。
円周率って3.14ですよね。
誤差が大きいのは、綿棒を12本しか投げていないからです。
たくさん投げるほど誤差が小さくなります。
でも本数が多くなると、交わった本数を目で見て数えるのは大変。
途中で数え間違えたり、記録を忘れたりしてしまうかもしれません。
■画像解析で計算してみよう
そこで今回は、綿棒12本を10回投げて、画像処理を用いて数えてみました。
弊社の画像解析ソフトウェア「WinROOF」シリーズでは画像処理を設定すれば、自動で計測が可能です。
それでは「WinROOF」を使用してフローリングの線と綿棒の交点を数えてみましょう。
① 綿棒を抽出します。

② フローリングの線を抽出します。

③ ①と②の重なった箇所(論理積)から交点を抽出します。

④ ①~③を10回分の画像で繰り返し処理します。
「WinROOF」では計測結果をまとめて出力することが可能です。

今回はフローリングの線と交わった綿棒は平均7.1本でした。改めて、円周率を計算してみます。
綿棒の長さL:7.1cm
フローリングの線の間隔D:7.35cm
綿棒の本数N:12本
線と交差した綿棒の本数n:7.1本
2L/πD=n/Nに代入して計算してみると、
2×7.1÷7.35π=7.1÷12
π=(2×7.1×12)/(7.35×7.1)=3.265...
より円周率は3.27となります。
画像1枚のときより、実際の円周率3.14との誤差が小さくなりました。
中学生の学習範囲でも取り組める面白い実験ですので、夏休みの自由研究のテーマにするのも良いかもしれませんね!
家にあるものでも簡単にできます!
ぜひ投げる場所や投げるモノを変えて試してみてください!
WinROOFシリーズの特徴
いかがでしたか。ビュフォンの針の問題だけでなく、「WinROOF」では顕微鏡、デジタルカメラ、スマートフォンなどで撮影した画像を解析することができます。
複数枚の画像を一気に解析したり、解析結果をExcelやCSVへレポート出力したりすることが可能です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
画像解析にご興味がありましたら、お気軽にお問合せください。
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