画像処理
1次微分フィルタ Sobel(ソーベル)フィルタ - 画像のエッジ抽出
1次微分フィルタの代表格 Sobel(ソーベル)フィルタ
前回に引き続き微分フィルタをご紹介したいと思います。
是非、前回の記事も合わせてご覧ください。
前回の記事では、エッジ抽出のために利用するフィルタ処理の代表として微分フィルタを、そして実例としてPrewitt(プレヴィット)フィルタを利用して、その効果や微分フィルタの特徴的な考えかたである方向について紹介させていただきました。
今回はPrewitt(プレヴィット)フィルタ同様、非常に利用頻度の高い微分フィルタであるSobel(ソーベル)フィルタについて紹介します。
ソーベルフィルタは輝度差のが少ないエッジも非常に強調されるため、
人が目で見てエッジと思うような場所が強調されやすいという特徴があります。
(この記事を書いている私も解析で微分フィルタをかけるときは、まず最初にソーベルフィルタを試すことが多いです...)
さっそくSobelフィルタのカーネル(3x3)を見ていきたいと思います。1次微分フィルタですので、(注目箇所である)中央の画素の前後の輝度の差を強調する係数となるのは同様です。
合成して全方向のエッジを強調した例がこちらになります。
カーネルから分かるようにこのフィルタは隣接する中央部の画素に"2"がかかるので、プレヴィットフィルタよりも輝度差をより強調する効果があります。そのため、薄いエッジもハッキリと強調されます。
しかし、強調する効果が強いということはノイズが強調される可能性も同様に高くなるということです。
ノイズが気になる場合はプレヴィットフィルタのほうが適しているといえますが、人が目で認識できるようなエッジはハッキリ強調されるので見た目の効果はとても分かりやすいフィルタです。
最後に、Sobel(ソーベル)フィルタとPrewitt(プレヴィット)フィルタを各方向で実行し合成した画像比較になります。
ソーベルフィルタでは帽子の部分の皺などのテクスチャの様子までも強調されているのが分かると思います。
画像解析ソフトウェアWinROOFシリーズでソーベルフィルタを実行する様子。