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開発システム 事例

パソロスコープお客様の声
聖路加国際病院 病理診断科様

弊社のバイオマーカー画像解析ソフトウエア『パソロスコープ』の開発は聖路加国際病院 病理診断科 医長の鹿股 直樹先生(前 川崎医科大学病理学 准教授)の一言がきっかけでした。「『WinROOF』は面積の測定・解析はできるが、細胞数まではカウントできない。できれば細胞核をカウントできる特化型の画像解析が欲しい」という声を受け取り作り上げてできたものです。
開発にどんな想いをお持ちだったのかお聞きしました。

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WinROOFを使用したから見えてきた病理に特化したソフトウェアへの道

同院では、以前から当社の画像解析・計測ソフトウエア『WinROOF』をご使用でした。鹿股先生が使ってみたところ「WinROOF は面積で見る解析で、核1個1個ではなく大きなかたまりとして認識するソフトウエア。できれば核の個体 をカウントする画像解析ができないだろうか」という感想をお持ちでした。WinROOF は特定の検査方法や医療分野を想定したソフトウエアではなく、業界を選ばない汎用性のあるソフトウエアとして設計されています。そのため使用 する分野や研究によっては不要な機能も付いています。また、病理医が日常業務で使用するには、解析前に別のソフトウエアで画像を加工しなくてはならず、手順が複雑だったのです。そこで鹿股先生は「病理に特化したソフトウエアを作りたい」と構想を持って弊社へ相談くださいました。それが新しい画像解析ソフトウエア『パソロスコープ』の開発に乗り出すきっかけになったのです。

鹿股先生からは「開発の方と直接話ができたことも実現につながったと感じます。日本語対応であること、単体のソフトウエアで購入できること、どれもありがたい。改良次第では PD-L1 発現を確認する 方向にもなるでしょう。"こうしたい"という要望をすぐに話せてスピーディに動いてくれる距離感が開発には大事だと感じています。」とお言葉をいただき、開発チーム一同大変励みになっています。

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聖路加国際病院 病理診断科 医長
鹿股直樹 氏
(前 川崎医科大学病理学 准教授)

現場で使う人たちのことを考えた助言を元に、トライ&エラーを繰り返し開発されたソフトウェア

まず「画像はこんな見え方がいい、こんな数値をとりたい」など鹿股先生のご要望を弊社担当が受け止め、パソロスコープの前身となるテスト版を作成しました。 現場で実際に役に立つソフトウエアであるかどうか先生に助言を求め、「スライダーで数値を調整できるように。リンパ球や紡錘形細胞を除外する仕組みも入れるといい」など指導いただきました。 「仕事の効率を上げるため、カウント上不要なものは予め除外する仕組みを入れたかったのです。直感的、感覚的に触れるように、ユーザーインターフェイスをシンプルにしてほしいと求めました」 と先生。

数値を再計算したり修正したりする手間を極力省くようにしました。パソロスコープは病理医だけが使うとは限らず、技師が指定の作業を行い、病理医が画像をチェックして担当医に報告するという場合も想定されます。そのため細胞核の検出結果を一目で確認できるような画像の保存機能を実装しま した。「複数の領域を選択してカウントできる機能もすばらしい。他のソフトではできないこともありました。手動計測は目も手も疲れるのである程度の誤 差もあったと思われます。」
先生がここまで尽力くださったのは、ご自身の研究だけではなく、医療に貢献するものを作りたいという気持ちから。「作業時間を短縮し、できるところは機械化すれば研究の時間を確保できますし、医療の診断もスピーディになる でしょう。計測だけでも効率化できないかと方法を探していたんです。画像解析ができるフリーソフトウエアを試したところ無料がゆえに使い勝手は制限されてしまう。一方海外製だと何千万円というシステムの一部に組み込まれてい るものだったので、導入は現実的ではありませんでした」と振り返ります。

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病理の世界から医学全体へ、可能性を秘めたパソロスコープ

大学の先生でもある鹿股先生は、授業でもパソロスコープを使って実習をしています。「学生たちには今後がんを診断するために最適な方法のひとつとし てパソロスコープがあるということを頭に入れておいてほしいのです。がんの検査項目が増えるとそれに時間を割かれてしまう。しかし計測だけが病理医の 仕事ではなく、やりがいのある世界だと伝えたいのです」。

最後に鹿股先生はパソロスコープの可能性について「MR 画像で得られたパラメータ数値との比較ができるようになると、相関関係が分かりやすくなりま す。神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)でも Ki-67 測定は必須とされていますので、応用できるはずです。さらに、脳腫瘍や骨軟部腫瘍な ど分野を広げられます」と期待を寄せつつ「そのためには、診断しやすい領域はどこか、正常細胞とがん細胞の認識は正確か、その様子が見られるかなど病 理医の基準の提示も必要ですね。ソフトウェアでどこまでできるのか使う者が明確にしなければなりません」と語ってくれました。
パソロスコープは、2016年の発売からすでに国内の病院や研究施設に 50台以上導入されています。純国産で日本語対応であることも評価いただいてい ます。現場で使われる先生方の改良の声も受け取り、当社製品をさらに改良し、日本の医療に貢献するソフトウェア作りを目指します。

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